『Scarlet Desire(1)』
にしまきとおる

●乳シズム 5
●推奨ランク S
●フェチ嗜好 フォルム,乳吸い,乳揉み,パイズリ

2006年12月発売。にしまきとおる氏11冊目の単行本。2006年エロ漫画巨乳ランキング1位。この10年近くずっと『BLUE EYES』シリーズにかかりっきりだったが、久しぶりに新シリーズに挑戦となったのが、本作だ。scarletとは、英語で緋色のこと。scarlet ladyで多情な女、scarlet womanでふしだらな女という意味があるが、scarlet desireは造語である。
本作『Scarlet Desire』は、実母との近親相姦ものだ。母子相姦ものというと、陵辱色の強いものと和姦色の強いものに分かれる傾向があるが、『Scarlet Desire』は和姦色の強い部類である。みやびつづる氏描く悪虐と陵辱に満ちた「はじめに陵辱者ありき」の世界ではなく、「はじめに少年ありき」の世界である。『Scarlet Desire』の物語は、「母への欲望ありき」から始まっている。
美しい爆乳の母・瞳に恋していた中学3年生の息子・瞬が、いかにして母への性的欲望に目覚め、いかにして母とセックスするようになったか。そのプロセスを、『Scarlet Desire』はたっぷり1冊を使って描いてある。これは、絵で描かれたフランス書院文庫だ。
物語的戦術としては、母の記号性を高めてご都合よく初エッチ⇒エロ加速という展開に持って行くことも、母の内面性を細かく描写して官能的苦悩を描き出すことも、実母という設定を義母という設定にして物語を2人のリビドーの交点の軌跡として描くことも、選択肢としてはあったかもしれない。
だが、『Scarlet Desire』は、母を牝という獣に堕とす物語ではなく、母を母のまま犯すという戦術をとっている。主人公は、母を牝に堕とすことに欲望するのではなく、母そのものに欲望しているのだ。いかに欲望は増長し、蓄えられ、爆発するか。母に対して欲望する観察者から、母を犯す姦通者にいつ変身するのか。その欲望の静(発動前)と動(発動後)の鮮やかなコントラストを、『Scarlet Desire』は描いている。
というわけで、肝心の乳だが、オッパイへのフェティシズムは文句なしにいい。乳首いじりはほとんどないが、フォルムへの欲望がリリシズムたっぷりに描かれている。バスルームの中でポーズを変えてストレッチをする母親の乳房に、そしてオナニーをする母親の乳房に、オッパイ星人ならではのアングルにこれでもかとばかりに迫っている。このカメラと渾然一体となった欲望の視線には脱帽せざるをえない。
また、乳吸いがしつこいのも『Scarlet Desire』の特徴だ。5カット1頁の乳吸いに始まり、ピストン中に3カットにもわたって乳吸いをする様が、2度にわたって描かれている。また同様にピストン中に乳房を揉んでいるシーンも3カットで描かれている。
パイズリは馬乗りパイズリの1回だけだが、なんと4頁近くにわたって描かれているのだ。物語のすべり出しこそ、非常に素朴なファンタジーに満ち溢れていてそこにパターン的な匂いを感じる読者はいるかもしれないが、それを過ぎれば「母=母性」とのオッパイセックスをたっぷり堪能させてくれる。オッパイ星人には非常にいいエロ漫画だ。
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