『エロマンガみたいな恋しよう』
ヤスイリオスケ

●乳シズム 4
●推奨ランク A
●フェチ嗜好 パイズリ,乳吸い,乳揉み

2006年12月発売。著者ヤスイリオスケは、ゴロメンツという同人サークルの同人師。その商業作家デビュー&初単行本作品が、本書『エロマンガみたいな恋しよう』だ。
なんともメタフィクションなタイトルである。それ自身エロ漫画でありながら、エロ漫画を読まんとする者に対して「エロマンガみたいな恋しよう」とは、なかなか小憎らしい。そして、実際にメタフィクションが埋め込まれている。
冒頭の「エロマンガみたいな恋しよう」がまさにそうだ。冒頭のカラーは、ヒロインとのパイズリシーンとして描かれている。だが、途中からそのシーンに絵筆が入る。ヒロインとのエッチだと思っていたものは、実はエロ漫画だったのだ。そしてヒロインは、そのエロ漫画に描かれていた通りにセックスしていくことになるのである。
といっても、メタフィクションな作品は、この1つだけ。あとは非常に欲望に忠実な、スタンダードなお話ばかりである。
かわいらしい萌え系の絵柄に、Gカップ以上の大きなオッパイ。ヒロインは全員、かわいらしい顔に、エロかわいい爆乳だ。パイズリは9回と非常に数が多いが、パイズリしまくりという感じはしない。短すぎず、長すぎず。全部のパイズリが2〜5カットのシークエンスで終わっている。乳揉み、乳吸い、挿入時の乳揉みもあるけれど、どれも長すぎず、前戯からパイズリ、そして挿入までが流れるような展開で描かれている。過剰に乳への愛撫に走りすぎず、本番を決しておざなりにせず、「挿入」と「非挿入プレイ」とのバランスをきれいにとるその姿勢は、優等生と言えよう。どれかに偏り過ぎることなく、満遍なくオッパイへのフェティシズムが流れている。
その分、狂うような、偏執的なフェティッシュな情念を感じるのは難しい。乳吸い、乳揉み、パイズリのどれかに特化して満点をとるよりも、満遍なく80点を取ろうというつくり方だ。すべてに優等生であるがゆえに、平均型の80点を好む「オッパイ好き」ではなく、特化型の満点を求める「オッパイ星人」には、「他のものが50点以下でもいいから、パイズリで満点を!」と言われてしまうかもしれない。しかし、萌えかわいい巨乳の女の子とのライトなオッパイエッチを楽しむのなら、『エロマンガみたいな恋しよう』ほどお薦めの一冊はあるまい。
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