2006年作品。
人妻絵師として、みやびつづる氏と二大双璧をなすLINDA氏の「寝取られ」にターゲットを絞った作品。
寝取られとは、凌辱ものの一種である。
凌辱ものには、権力関係の変化という構造がある。
ヒロインは、当初、ミス某であったり、フライトアテンダントであったり、非常に高い位置に設定されている。そのヒロインを、逆に低い位置にある男性に犯させ、快楽の地獄を味わわせることによって、男性主人公よりも低い、獣の位置まで貶める。それが凌辱の構造である。
寝取られも、同じ構造を取っている。通常の凌辱と違うのは2点。
1.「誰かのもの」という属性を加えている。
2.主人公が快感地獄を味わわせるのではなく、むしろ第三者がヒロインを快感地獄に貶めること。
これは、格差社会の到来により男性性が低下しため、「主人公が主体となって犯す」という物語をは見るのが難しくなった結果、第三者として外部的に放り出したものと推測される。
なぜ寝取られに人は興奮するのか。LINDA氏は、同書の中でこう述べている。
「タブーを冒すことのスリル感、自分の物(彼女、妻)を侵食されたことへの嫉妬心などがもたらす「興奮」が「性的な興奮」へと変化していくものだと思うの」
実は、これは不正確な答えである。LINDA氏が述べていることは、描く時に気をつけることだ。
ヒロインがタブーを犯していくという心理を描く。自分の妻や彼女を侵食される男の嫉妬心を描く。これは、描く時の注意点である。
実際の定義は違う。
興奮は、自分の男性性が相手の女性性よりも相対的に高い位置に到達したと感じた時に引き起こされる。
凌辱ものや寝取られものは、その興奮のメカニズムをよりはっきりと、激しく示しているだけなのである。
というわけで、内容。
他人に見られながらすることに興奮を覚えた夫婦の話。
乱交大好き、人の男を寝取ってしてまう女の過去の思い出話。
妻の浮気写真を目にして興奮して妻を思い切り犯してしまった夫の話。そして、夫の死によって盲目となった未亡人が、義弟たちに輪姦される話。
寝取られの快感を、たっぷりと楽しめるようになっている。
ヒロインは全員巨乳。
「乳揉み・乳吸い・乳首責め・パイズリなどの巨乳フェチプレイが、前戯においては連続2カット以上、挿入中においては1カット以上描かれていた場合に、1回とカウントする」という基準で見た場合、
乳揉み7(挿入中3)・乳揺れ4(挿入中3)・乳吸い3・乳首責め1。合計15。
「オッパイ星人への推奨ランク=巨乳フェチプレイの充実度」はBランク。つまり、オッパイ好きにおすすめできるレベル。
パイズリは、ゼロ。乳揉みが一番多い。
次が乳揺れで、その次が乳吸い。乳吸いは1コマ描いて終わりというものが多い。
ただ、パイズリがないため、オッパイ星人にはおすすめできない。
LINDA氏の作品は、オッパイを目当てに買うものではない。その背徳を、寝取られを、凌辱を、目当てに買うものである。だから、我がサイトで取り上げるのは、いささか失礼なのかもしれない。
しかし、表紙に巨乳が描かれている限り、「巨乳フェチかな?」と期待してしまうのがオッパイ星人である。そういう人のために、あえて記した。背徳の悦びを味わうために手に取ってほしい。
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