タカスギコウ 『俺の母親』

●出版 ティーアイネット
●定価 1000円(税別)
●乳シズム ★★★★★
●推奨ランク BC
●フェチ嗜好 乳揉み・乳吸い・乳揺れ・乳首責め・フォルム
 

 
REVIEW

俺の母親 2012年7月発売。
 タカスギコウ氏8冊目の単行本。
 まず一般論を。
 母子相姦ものとは、実母を犯したい欲望を擬似的に実現してくれるものではない。「最初に母を犯したいという欲望があって、それを代償的に叶えてくれるもの」として、母子相姦ものがあるのではない。もしそうだとするなら、母子相姦ものはもっとマイナーなジャンルになっていただろう。
 母子相姦ものとは、母性への耽溺である。
 いつでも母性豊かに愛情を注いで、母性豊かに性欲も受け止めてくれる。それが、母子相姦もので言う「母」である。母とは具体的な人物ではなく、抽象的性質、すなわち母性なのだ。そこに「禁止とその侵犯」というエロティシズムの構造を重ね合わせたのが、母子相姦ものだ。禁じられた母とのセックスという側面にばかり気を取られてしまうけれども、実は性的欲求を母性的に優しく受け止めてほしいという願望の具現化なのである。
 だからこそ、母子相姦ものである母は、必ずしも実母である必要性がない。義母でも充分なのは、そういう理由である。仮に母子相姦もので描かれている母を、優しい女教師に変換すれば、母子相姦ものの本質はさらによく把握できるようになるだろう。優しい女教師に甘えたいという欲望と、優しいママに甘えたいという欲望は、ほぼ同じものである。ただ関係性が違っているだけだ。より母性の方向へ深化したのが、母子相姦ものなのだ。
 というわけで、本書『俺の母親』。
 俺とついているが、もちろん「俺の塩」のようなカップラーメンではない。収録されている7篇のうち、5篇は母子相姦ものである。
 タカスギコウ氏というと、デビューして3作目までは明るいライトタッチのお手軽マンガという印象があった。巨乳ヒロインは登場するが、巨乳フェチはなくCランクというのが当時の評価だったのだが、マンガ家は変わる。
 「乳揉み・乳吸い・乳首責め・パイズリなどの巨乳フェチプレイが、前戯においては連続2カット以上、挿入中においては1カット以上描かれていた場合に、1回とカウントする」という基準で見た場合、
 乳揉み10(挿入中5)・乳吸い4(挿入中1)・乳揺れ6・乳首責め2・パイズリ1。合計、23
「巨乳フェチの充実度=オッパイ星人へのお薦め度」は、Aランク。特に乳揉みと乳揺れと乳吸いへのこだわりがいい。
 前戯中の乳揉みに使用したカット……6、3、2、4、4
 前戯中の乳吸いに使用したカット……6、3、2
 乳吸いの中には、1つ母乳吸いもある。また、パイズリは1つだが、6駒使って射精まで描いてくれている。手抜き感はない。乳房を見せつつ、挿入を大胆に見せるアングルを、よく考えて描かれている。洋梨形の推定Iカップ以上の爆乳に対する欲望も、そのフォルムへの情熱も、本物だ。最初の3作までは、自分のカラーを抑えて一般的な内容を描いていたのかもしれない。
 個人的に好きなのは、「ママモミ」というお話。友人に「おまえの母親、胸でかいだろ」と言われて母の胸が気になってしまう主人公。ハプニングから母のオッパイを揉みまくるが、見事にビンタを喰らってしまう。母親の涙、ショックを味わう主人公。落ち込み具合の描き方がヘビーではなくコミカルでかわいらしい。作者の工夫を感じる。そこへ母が来て、「胸だけなら……」と歩み寄ってくれる。母のオッパイをさわって、母乳まで飲んでしまって、主人公はドキドキ。やりたいけど無理だよな……と思っていたり。でも、母親は快感に目覚めてしまって、今求められたら断れない……と考えている。その描き方と展開が微笑を誘う。背徳的なのもいいが、ほのぼのとした味わいが、タカスギコウ氏の十八番なのかもしれない。
 しばらくノーマークだったが、過去作品も含めて集めてみようという気持ちになれた。これからも楽しみなマンガ家である。

 俺の母親
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