戦闘的越中 『淫蜜学園』

●出版 リイド社
●定価 1800円(税別)
●乳シズム ★★★★
●推奨ランク SA
●フェチ嗜好 パイズリ・乳吸い・乳揉み
 

 
REVIEW

淫蜜学園 2012年3月発売。
 戦闘的越中と書いて、「コンバットえっちゅう」と読む。氏の初単行本である。
 まずは帯の紹介。
「人妻女教師、ナース、OL、メイドたちが淫靡に迫る! 待望のカラー作品集!!」
 1800円と値も張るが、B5版と大きなサイズで、カラー頁も多い。紙質もよい。
 本書のベーシックカラーは、「大人の女」と「背徳」。ヒロインは、女教師であったり、人妻体育教師であったり、保護者であったり、キャビンアテンダントだったり、OLだったり――。基本的に大人の女性だ。その大人の女性たちが、職場で強制的な形で背徳的なセックスをさせられる……。
 ヒロインのラインナップは非常にいい。特に眼鏡女性の魅力が高い。氏の大きなアピールポイントだろう。おまけに全員巨乳である。はっとさせられるような、ダイナミックなアングルも目立つ。
 しかし、乳シズムは五つ星ではなく四つ星――。それは、次の理由による。
 「乳揉み・乳吸い・乳首責め・パイズリなどの巨乳フェチプレイが、前戯においては連続2カット以上、挿入中においては1カット以上描かれていた場合に、1回とカウントする」という基準で見た場合、
 パイズリ5、乳吸い3(挿入中が1)・乳揉み3(すべて挿入中)・乳首責め0。合計、11
 巨乳フェチプレイの充実度は、Bランク。
 しかし、5回あるパイズリはすべて2コマ描いて終わり。射精は一度もない。乳吸いも、3コマ、2コマ、挿入中の1コマ。乳揉みはすべて挿入しながらのもので、1コマ、1コマ、1コマ。1本1本の話が短いという性質によるところが大きいのだろうが、これではいくら胸が大きくても、巨乳への情熱を感じることができない。数字上、巨乳プレイの充実度はBランクだが、Cランクと言った方がいい。基本的にはオッパイ星人にはお薦めできない。
 今の段階では、「発展途上」「成長途中」といった感が否めない。頁をめくっていても、いまひとつマンガになりきれていない感がある。どうしてもイラスト集のような感覚を、漫画家ではなくイラストレーター的な部分を感じてしまう。どこに男性がいるのか、具体的に男性がどんな姿勢でいるのか、誤魔化してあるカットも多い。美少女ゲームに関わっている者には、それがどうしても気になってしまう。
 評者は漫画家ではない。活字屋である。部外者が部外者に対して上から目線で言うのがどれだけ生意気で失礼かは、重々承知している。それでも、批評家の仕事が真実を告げて作者に一念発起を起こさせるものだとするならば、敢えて上から目線で言わせていただきたい。さらにマンガに慣れて、イラストの感覚で描くのではなくマンガの感覚で絵と物語を描けるようになれれば、きっと氏の持つ魅力は遺憾なく発揮されることになるだろう。その時にどんな地点に到達しているのか。評者としては、次回作に期待したい。
 巨乳の専門家としてはただ、パイズリの2コマ&射精なしは是非おやめになっていただきたいと願うばかりである。パイズリは、射精なしで中途半端に描いてしまうと、一番パイズリ好きな人たちをがっかりさせてしまうのだ。1回だけそれならばパイズリ好きも納得してくれようが、すべてのパイズリが射精なしでは、かえってパイズリ好きの怒りを買ってしまう。氏が一番得意とする眼鏡女性で、是非2頁にわたるパイズリ描写を、パイズリ射精の瞬間を、見てみたいものだと思う。そう思わせるだけの魅力は、充分持っている方なのだから。

 
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