みうらたけひろ 『Nudism Zone』

●出版 富士美出版
●定価 952円(税別)
●乳シズム ★★★★★
●推奨ランク SA
●フェチ嗜好 フォルム・乳吸い・乳揉み・乳首責め・パイズリ
 

 
REVIEW

Nudism Zone 2011年12月発売。
 超乳にこだわりのあるみうらたけひろ氏6冊目の単行本。
 ヒロインは全員超乳。羞恥心の裏に淫欲を抱え込んだ女たちばかりだ。物語については、カバー後ろを引用しておこう。
「既得権益と策謀の罠が蠢く巨大企業の要職にある巨乳女課長・美智望むつみ通称「オッパイマドンナ」は社命により資源発掘中の南方の島へ赴くことに。だが、そこで彼女を待ち受けていたのはっ!?」
 先に断っておこう。物語自身は、それほどサスペンスでも策謀渦巻いているわけでもない。ダークな設定は、ヒロインたちを淫乱の饗宴に引きずり込むための仕掛けである。物語の深みを期待すると、みごとに肩すかしを喰らうだろう。
 オッパイ星人が気になるのは、巨乳へのこだわりと巨乳プレイの充実度である。
 巨乳へのこだわり(乳シズム)は、文句なしの五つ星だ。だが、巨乳フェチプレイはどうか。
 「乳揉み・乳吸い・乳首責め・パイズリなどの巨乳フェチプレイが、前戯においては連続2カット以上、挿入中においては1カット以上描かれていた場合に、1回とカウントする」という基準で見た場合、
 全11篇中、乳吸い7、乳揉み3、乳首責め2、パイズリ1。
 数字だけを見れば、そこそこ充実しているように見える。特に、乳吸いには目を瞠るものがある。6コマ連続の乳吸い描写が1つ、4コマ連続が1つ、3コマ連続が1つ。挿入しながらの乳吸いは3つにもなる。作者の乳吸いへのこだわりが伝わってくる。
 だが、本作はAランクやSランクになり損ねた、残念な作品だ。羞恥心に喘ぐ女が快楽に身を任せていく――その姿にばかり焦点が当たって、肝心の巨乳プレイが蔑ろになっている。特に序盤はそうだ。乳揉み1コマだけ、乳吸い1コマだけというのが目についた。巨乳プレイに対するヒロインの反応もなく、序盤は、オッパイ星人にとっては抜きづらい内容になっている。序盤のエッチシーンは、すべて「堕落」という一色に塗り込められてしまっている。平たくいえば、恥辱に悶えるヒロインの内面を「劇的に描くこと」に情熱が傾きすぎてしまって、「抜けるように」描くことがおろそかになっているのだ。
 さらに残念なのは、たった1回のパイズリに射精がないことだ。射精抜きのパイズリは、味噌なしの味噌汁である。
 辛口になるのは期待しているからである。と同時に、漫画家が恥辱というものを描く時、「内面にばかりに焦点が当たって肝心のプレイに対するヒロインの反応がおろそかになり、描き急ぎになって抜きづらくなる」ということが多いからだ。序盤を外して見るならば、普通に巨乳フェチの充実した一冊だと思う。巨乳フェチプレイの合計は、13。充分ランクBのレベルだ。だが、もしレビュアーの責任が「よいものはよいものとして全力で褒めること」「だめな部分はだめな部分として指摘し、作者の発奮を促すこと」だとするならば、期待を込めて、敢えて辛口のレビューとしたい。過去5作品は、非常に高水準の巨乳フェチを示してくれている。それらを取り上げずに、氏の作品の中で最も巨乳フェチが低い作品を最初にレビューするのは甚だ失礼なのだが、ご容赦いただきたい。次回作に期待する。

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