2008年作品。
葵ヒトリ氏5冊目の単行本。
実に2年ぶりの新刊だ。ファンにとっては待望の1冊である。
今回は挿入にこだわった一冊だ。前作2冊の巨乳フェチ路線から、より大衆性のあるエロへハンドルを切った形。
それでも、巨乳へのフェティシズムはしっかり描かれている。主人公がオッパイ星人の眼差しからフェティッシュに巨乳を見るシーンもある。「前戯中の場合は連続2カット以上ある場合、挿入中はフェチ的に1カット描かれている場合を1回と換算する」という原則で具体的な巨乳プレイをカウントしてみると、乳吸い6・乳揉み4・乳首いじり3・パイズリ1。葵ヒトリ氏といえば乳吸いと乳首いじりだが、両者とも陰湿さがあっていい。たぷたぷのやわらかな軟乳の感触やたわみ具合もよく描かれている。まさにオッパイ星人の芸当だ。
12本の短編のうち、個人的にツボだったのは、兄嫁とエッチしてしまうお話。特にビーチでちらりと乳首を見せるシーンがよかった。兄嫁のほのかな誘惑っぷりがぐっと来る。
色気ムンムンやる気満々で露骨にストレートに迫る誘惑女性ではなく、誘惑しないふりをして二人きりになったところでちらりと誘惑する女性、また芯が弱く年下男性に迫られてエッチしてしまう女性。そういう女性を描かせると、葵ヒトリ氏の筆は冴える。
舌と指による執拗な乳首責め。柔乳へのこだわり。そして、二人きりになると密かに誘惑するヒロイン。そのカラーを全面的に押し出した作品を、オッパイ星人としては待ち望むばかりだ。
|