『HEAVY MUSCLE』 RYO
●出版 桜桃書房
●定価 800円(税別)
●乳シズム ★★★★★
●推奨ランク SAB
●フェチ嗜好 乳舐め・搾乳
 

 
REVIEW

HEAVY MUSCLE 1989年1月発売。
 恐らくRYO氏処女単行本。
 巨乳という言葉が流行しだして間もない頃なので、なにぶん情報が古くて作者についてはわからない。月刊誌『BACHELOR』で挿絵を描かれていたことは記憶している。
 内容も絵柄も、アメコミ風である。ヒロインの顔も身体も、リアルテイストの強いアメコミスタイル。効果音も「AHHHHH」とか「CRAAAASH」とか「BAKOOOOM」のように、アメコミのスタイルを踏襲している。萌え絵全盛の今では拝めないスタイルのエロ漫画だ。
 お話は様々だ。悪を倒すレスラー風の二人組、ウォリアーズが食い逃げ常習犯をつかまえるお話。正義の味方パンチマンがスペルマの精から願いを叶えてもらって性義の味方として生まれ変わって強姦しまくるお話。賞金稼ぎのハンサムボーイがトカゲ風の異星人と戦うファンタジックなお話。
 いくつも並ぶ短編の中で唯一シリーズとなっているのが、シンドバッドのお話である。アメリカンな絵柄でイスラム風のお話を描いている。中世イスラム風の意匠をこらしたエロ漫画は少ないだけに、非常に貴重な物語だ。お話としても、ライトタッチで、軽く明るくコミカルに楽しむようになっている。どれも、深刻なお話はない。絵柄こそリアルタッチだが、軽いアメコミテイストに載せて軽く楽しめる物語になっている。
 ヒロインは全員巨乳のナイスバディである。ただし、爆乳はいない。DカップかEカップの大きさだ。
 巨乳フェチ的には、決して高くはない。パイズリも乳吸いも乳首いじりもなし。前戯としての乳揉みはなく、挿入中に乳房に触れているのが2、3カットある程度。それもフェティッシュな、乳房の快感が伝わるような揉み方として描かれているわけではない。この当時は、そういうエロ漫画の方が多かったのだ。
 『HEAVY MUSCLE』は、純粋な乳プレイを楽しむためのものではない。巨乳フェチが少ないためにオッパイ星人のためのランクはCになっているが、だからといって作品全体の価値がいささかも減じるわけでもない。本書は、その希有なアメコミ風スタイルのエロ漫画を楽しむためのものである。個人的には、ずっと蔵書しておきたい一冊だ。
 なお、現在絶版で、中古でしか手に入れることができない。

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