ジョンソン勉 『あぶないゼネレーション』
●出版 フランス書院コミック文庫
●定価 437円(税別)
●乳シズム ★★★
 

 
REVIEW

 1994年作品。
 3作目。
 ずっと短編ものばかりで「短編の名手」という感のあったジョンソン勉。今度は一冊まるごと長編です。
 でも、やっぱりうまい。伸縮自在のうまさです。
 東京から転校して来たスケこまし、八木ちゃん。
 普通のマジメ少年、山口くん。眼鏡外すと超美形です。
 クラブで知り合う、バンドやってる女子高生、中島実紀。
 この3人を軸に物語は展開します。全然女性経験のない山口くんは、八木ちゃんに連れられてガールハント。眼鏡を外し、オールバックに変身して遊びの約束を交わした女の子たちを驚嘆させ、みごとに中島実紀と初体験。要領がわからないので動けなかっただけなのだが、じらしていると彼女は勘違い、上乗りになってフィニッシュしてしまう。初めてなんだ、と告白しても信じてもらえない。
 それから連日八木ちゃんに連れられてナンパ、ナンパの毎日が始まる――というストーリーです。なんの変哲もないように思えますが、変哲あるんですよ、これが。
 特に、八木ちゃんというキャラクター。
 これはジョンソン勉得意の「ずらし」のキャラクターですね。なんか変わってます。ずれてます。女の子に台詞をおうむ返しさせたり。妙ちきりんです。ジョンソン勉の持ち味は遺憾なく発揮されてます。お話も完結しているような、完結していないような。普通に見ると終わってないのでしょうが、わざとそういう放り出しをしたようにも思える。
 ヒロインも生き生きと描けてます。中島実紀のパイズリもネチネチしてていい感じ。ただ、前2作に比べればチチシズムは落ちるかもしれません。それでも、この作品の魅力は決して落ちやしない。
 いいんですよねえ、この宙づりにされたような妙な味が。
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  あぶないゼネレーション
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