1997年作品。
大暮維人氏2冊目の単行本。
『5』と書いて「ファイブ」と読む。
評者はこの本で、大暮維人氏の名前を知った。本書には大暮維人氏のデビュー作「September Kiss」がおさめられている。
内容はバラバラだ。
霊ものあり、学園ものあり、大正時代ものあり、神魔ものあり。後ろに壮大なストーリーが隠れているものが多い。
感じ取られるのは、エロスとバイオレンス、あるいはエロスと殺戮、エロスと血。その中に、『天上天下』と同じ匂いを嗅ぎ取ることができる。
一番長編の「September Kiss」が倒錯しているが、個人的には大正時代風の「青輝丸」が好きだ。この中に登場する高圧的なメイドの乳がいいのだよ。氏の作品中の言葉を借りれば、魂を揺さぶる乳だ。
「Cせん竹田」も、鉛筆画でいい味を出している。ただ、やはり乳房を責めている場面は少ない。
作画レベルは非常に高いが、巨乳プレイの充実度は正反対である。
「乳揉み・乳吸い・乳首責め・パイズリなどの巨乳フェチプレイが、前戯においては連続2カット以上、挿入中においては1カット以上描かれていた場合に、1回とカウントする」という基準で見た場合、
乳吸い2・乳揉み2。合計、4。
「オッパイ星人への推奨ランク=巨乳フェチプレイ充実度」は、最低のCランク。
オッパイ目当てで買ってはいけないレベル。一般作品での巨乳フェチを期待して買うと、非常に残念な結果に陥る。
乳ではなくお話を――。それがこの作品の楽しみ方である。
|