1996年作品。
商業誌で名を轟かせている大暮維人氏の処女単行本。
ねちっこく細やかな絵とダイナミックな構図。そして、クセの強い、落差のあるキャラクター配置。
まさに大暮維人。
この人の場合、ロケットオッパイではなくて、やわらかくて広がっちゃうような、爛熟したオッパイ。非常に自然な形のオッパイだ。エッチシーンもねちゃねちゃしてて、エロ。
ただ、残念なことにパイズリはない。乳首をいじったり、揉んだりしている場面もあるが、圧倒的に数が少なく、また長さもない。ないと言った方が近い。ワンカットちょい出しで終了。もったいない。
しかし、本書はオッパイを楽しむためのものではない。
「乳揉み・乳吸い・乳首責め・パイズリなどの巨乳フェチプレイが、前戯においては連続2カット以上、挿入中においては1カット以上描かれていた場合に、1回とカウントする」という基準で見た場合、
乳吸い2(すべて挿入中)・パイズリ2・乳揉み1・乳揺れ1。合計、6。
「オッパイ星人への推奨ランク=巨乳フェチプレイ充実度」は、最低のCランク。
つまり、オッパイ目当てで買うと激しく後悔するというレベル。一般作品では高い巨乳へのフェティシズムを誇る大暮維人氏だが、エロ作品においてはそうではない。2回のパイズリがともに射精なしというところにも、それが溢れている。
氏の情熱は別のところに傾けられている。読者はそのシニカルな話を、奥に壮大なストーリーが隠れたお話を、楽しんだ方がいいのだろう。
お話は、一番長い『Peterpan Syndrome』がいい感じ。乳シズムも本書の中ではこれが一番だが、オッパイ中心ではないので、そのあたりを過剰に期待せずにお話中心として読んでほしい。。
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